Restaurant MAISONシリーズは、フランス・パリを中心に活躍する渥美創太シェフ率いるレストラン『MAISON』監修のもと制作したコラボレーションシリーズです。
渥美シェフはこう言います。
「生産者と季節の食材に向き合うことを大切にしている『MAISON』にとって、生産者の存在は最も大切なものです。そして彼らが生み出す食材こそが自分たちの料理を組み立ててくれています。
畑萬陶苑を訪れた際に得た、鍋島焼の色の豊富さと培って来た歴史と技術、そしてこれからの更なる大きな可能性を感じ、ヨーロッパの文化と合わせて表現することで伝統的かつ新しい表現が生まれるのではないか、と感じました。更に、畑萬陶苑の持つ鍋島焼の技術で、ヨーロッパの文化であるアンティークのボタニカルアートをモチーフに表現したら、それもレストランに欠かせない生産者(畑萬陶苑)と季節の食材(ボタニカルアート)になるだろうなと思い、今回のシリーズを提案させてもらいました。」
このようにして、このアイデアを基に細部まで細かく描写された独特の写実性を持つアンティークのボタニカルアートをモチーフに Restaurant MAISONの器プロジェクトはスタートしました。
ボタニカルアートの細部まで観察され た写実性、そして鍋島焼の情報を端的にまとめ特徴を簡略化することで表現する奥行き感 を合わせ持った表現方法を何度も試行錯誤することで完成しました。
鍋島焼の伝統表現の特徴としては下絵付と上絵付のレイヤーを重ねていくことで奥行き感 を表現していきますが、この Restaurant MAISONシリーズは独自開発した技法を基に新たなる鍋島焼の表現方法を確立しています。
特徴として、レイヤーを重ねた絵付部分のみを艶やかに白磁部分をマットにすることで絵 付けの奥行き感と立体感、そして磁器本来の素材感が際立ち、料理を持った際の光のコント ラストがとても綺麗に映り込みます。
形状としては見込みの中心部から外側に反りあがった形状は料理を持った際にソースが中心に集まるように計算し、また高台を小さく絞ることで器を置いたときに外側の影のコン トラストが美しく見えるようにデザインしています。
※ボタニカルとは英語で「植物の」「植物由来の」という意味があり、細部まで詳しく描か れた絵がボタニカルアート(植物図鑑)として古くから現存しています。